私がボクシングゲームを作り続けるうえでもっとも大きな影響を受けたのは、スーパーファミコンの「リディックボウボクシング」です。
リディックボウ、この実在する大男(196cm)の説明はしません。
(ボクサー、特に元王者が事件をおこすと悲しくなってしまう)
これは純粋なボクシングのゲームです(街角が舞台ではない!)。
特筆すべきは、人間が壊れていく、失っていく様の再現です。
打てば疲れるし、打たれればその部分に応じて傷つくし、更には歳をとって白髪となり、着実に打たれ弱くなっていく…
疲れると当たるはずのコンビが当たらなくなったり、避けられるはずのパンチが避けきれなくなったり…
刻一刻と変化していく様、このゲームが娯楽の追求というより、ボクシングというスポーツの再現を目指しているのがわかります。
が、痛恨の極み!
ボクシングの花「カウンター」の存在がすっぽり抜け落ちている。
アッパーの空振りにここぞの右をガツン一撃!
直後にケロリとした相手が平気で向かってくる違和感。
単なる殴り合いを知的芸術にまで引き上げるあの輝き、凝り性の制作者が知らなかったとは、私には到底思えない。
更には、ストレート。あるにはあるが、両腕ともジャブ。
まったく腰をひねらず手打ちするヘビー級にガッカリ。
(ま、そのメリットもあるにはあるけどさ…)
上半身だけで足運びを表示しないのは、絶対に正解だと思う!(アラがでない)
腰をひねらず腕だけが伸びるストレート。うぅ~、気持ち悪い! ビシッと打てよ!
右ストレートを軸に戦ってきた自分にとって、この物足りなさは残念無念、とにかく悔しい。
最も体重が、最も気持ちが拳に宿る右。
鉛筆だって、箸だって、ボール投げだって…
子供の頃から自在に動いてくれた右。
右、これをどう相手に当てるか。いや、ただ当てるだけじゃない。
強がっているけれど本当は疲れやすい自分、数は限られている。
深く、できる限り深く、狙った末の全体重、渾身の正面衝突。
相手にとって意外そのもの、予想すら出来ぬ死角からの衝撃。
夜も眠れないほど考える価値がある、その瞬間。
自分のボクシングの全てといったっていい、その瞬間!!!
それがすっぽり 「ない」
(なぜだ~! なぜなんだ~っ!!)
自分でボクシングゲームを作る!という原点。
今ここに書いたことで、はっきりと自覚できました。
現実・自分のボクシング、仮想・ゲームのボクシング。
どうだっていいことなのかも知れないそのギャップ。
耐え難い違和感。
自分の一番得意なことが否定されたような気持ち。
…満足したい、ただそれだけ。
(きっと満足した時に実写でボクシングを作り続けるこの日常も終わるんだ)
ルーツオブ実ボク。とっくに忘れていた原点。
記したことで再確認できてよかった…!
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Windows用フリーソフト「実写でボクシング」
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HSPプログラムコンテスト2004最優秀ゲーム賞、受賞作品。
100円ショップダイソーでも販売、無料でネット対戦可能!
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メガドライブでボウに先駆けてホリフィールドボクシングが発売されています。
こちらはボウボクと比べると、パンチの当たり判定が曖昧で肝心の試合部分の出来が良くありません。
が、各種モードやゲージなどの仕組みはしっかりしており、名作ボウボクに続く道であることは確かです。
2010年5月20日木曜日
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