2019年11月22日金曜日

大地将さんと拳闘・ゲームの話題で交流

ボクシングゲーム開発者
井上vsドネアに刺激され、もはや遠い記憶となった自身のボクシングを思い出す。

体力に自信のなかった自分は途中からフォームを崩すことによってパンチを避け、意外性のあるパンチをどう当てるかを追求。当時は技術だと思っていた。
正しいフォームを崩さず最高のパンチを当てられる井上を見ていると、自分は拳闘の正統から逃げたのだとはっきりわかる。逃げたのだ。

フォームを崩すと教科書的な相手の正しいパンチを避けられた。崩れた状態から打つ拳は意外性があり時に対戦相手だけでなく周囲を驚かせた。
しかし、やはり体重が乗らないので必殺の威力を込められなかった。崩れたフォームは自身の筋力にも負担となって、長いラウンドには不安を感じていた。

当時の自分は、威圧的な指導者による均一な指導ルーチンとは別の道がある事を証明したかったのだろう。

大地将でマサル=クリスティンで漁ん
すごく共感します。私も学生時代の剣道、オジサンになってからのキック、いずれも中途半端ではありましたが、似た考えを持っていました。
コンタクトスポーツに正解は無いんだ、個人の特性を活かして闘うんだ、そう思ったんですが、やっぱり真の正統を見せられると…。本当はわかってたんですけどね苦笑

ボクシングゲーム開発者
似た考えとありますが、…我々!
私は学生時代は柔道、その後ボクシング、自作ゲーム製作。
マサルさんとなんだか選んできた道、経験も似てますね♪

大地将でマサル=クリスティンで漁ん


僭越ながらゲーム開発を生業にさせてもらってますが、サンドバッグさんの作品のスゴイ所は、試合展開をグラフに落とし込み、リング外の人間の部分を描き、足元を隠した真横視点にすることで運足とプレスの戦略をわかりやすく再現する「ボクシングの魅力の切り出し方」にあると思ってます。


リッチでリアルな『FightNight』で前腕の間をすり抜けてアッパーがヒットする画には熱くなりますが、個人製作でその“正統”の行列に並んでいたらずっと追いつけない。

持たざる者が編み出した不意の角度からのアプローチ、自分には思いっきり効きました。持たざる者の戦術もまた、見所なのだと思います♪

ボクシングゲーム開発者
持たざる者、そうか、ゲーム開発でも私は正統とは別の道を選んだのか!(気付き)
そして「そのアプローチにも価値がある」、いいお言葉ありがとうございます。

思えば、サターン派だった私(これもゲーマーとしてはメインストリームではない?)。


自分にとって初の3D形式ボクシングゲーム「キングオブボクシング」、ワクワクして発売日に買いました。
しかしプレイしてみたら綿密な距離感を画面から感じ取れず、なんとなく近くなったらパンチを打ってどうにかなっちゃう、まったくリアリティのない拳闘再現にガッカリした経験…。
自分が横から見た2D形式を選択しているのは、この経験がベースです。(私にとっての拳闘は、あと3cmの距離にビクビクする競技、この距離感の再現・提示を最も大切に考えました)

大地将でマサル=クリスティンで漁ん
ゲームの正統は途方もない資本力・技術力の世界なので今の国産作品はどこも個性勝負ですけどね。
実は私が格闘モノを作った時、従来の格闘モノで気になってた打ち終わりの立ち位置がそのままという違和感にメスを入れたんですが、その後実ボクを知った時には、同じ発想の距離調整に深く共感したものです

ボクシングゲーム開発者
実ボクはゲームとしてうんぬんは後から考え、初期バージョンの頃は完全にボクシングの再現ばかりを考えていました。

  • パンチを打つと頭の位置も前に出る(キャラが実写なので必然)
  • 休まず打つと肉体が疲労する(格闘ゲームの多くは疲労しない)
  • ボディ打たれると回復力が鈍る(劣化状況による戦い方の変化)
  • 自分が実際にできない動きはしない

これらを徹底したらゲームとして成り立っていた、まさにボクシングに感謝でした。

大地将でマサル=クリスティンで漁ん
改めて感動しました。
ボクシングへの造詣が『実ボク』『グラボク』のエンジンとするならば、深いボクシング愛と情熱は尽きることのない燃料。
でも要素の切り出し方は紛れもなくドライバーのセンスですよ。
実はボクシングゲーム開発において、サンドバッグさんは“持つ者”の側だった…!?

ボクシングゲーム開発者
ありがとうございます。
中学生の頃に読んだ雑誌記事で手塚治虫が火の鳥執筆はライフワークと語っていて、自分の場合なんだろうか?とぼんやり考えて、それからずっと探しながら大人になった気がします。

見つかった自分のライフワーク、「実写でボクシング」。

ボクシング、面白いゲーム体験、誰かとの会話、ニュース。
私の日常における全てが実ボクに供給されていきます。

大地将でマサル=クリスティンで漁ん
人間は一生のうちに多くの経験をしますが、それを一点に集約できるほどの何かへの情熱ってなかなか持てないと思うんですよ。
そこまでの情熱で制作されてるのだから、そりゃ傑作になるなと。
自分はサンドバッグさんのゲームのファンですし、影響も受けています。



ボクシングゲーム開発者
自分にとって過去作であるグラフでボクシングへの反響が、現在進行形の実写でボクシングより大きい事に嫉妬する気持ちがある。
思うに反射神経を必要としないゲーム性による間口の広さ、Windowsにコントローラを接続している割合なども関係しているのかも(PCでガチガチの対戦格闘ゲームはヒットしてない気もする)。

大地将でマサル=クリスティンで漁ん
非アクションゲームである事よりも、拳闘にまつわるドラマを題材にしている所が間口が広いのかなと分析します。
実際の競技者たちの現場を間近で見る環境がない人にとっては、リング上の闘いだけから彼らの人生を読み取るほどの情報や知識は無いのが普通ですしね。

ボクシングゲーム開発者
確かに…!
グラボクの舞台はプロボクシング。そこにはリング以外にも当たり前ながら結婚や引退にまつわる人間ドラマがある。
実ボクのテーマはボクシングの体験。技術的な体験そのものに特化しているから人生ドラマの要素は薄い。
気が付きませんでした。

大地将でマサル=クリスティンで漁ん
ドラマ性の部分で煽りすぎて、優れたボクサーだったのに実像と評価がちぐはぐになってしまった兄弟もいますが汗
ドラマが大衆に届きやすいといっても、テレビではやっぱ他人事なのでほどほどにしてほしいんですけどね。
それがゲームだと、他人事じゃなくなって自分事になるというか。

ボクシングゲーム開発者
なるほど、ゲームだと自分事になる、か…。
現実のボクサーの動きや生き様を自分自身に投影するって100%はできない。本や映画の主人公にも自分自身を投影するのは無理(共感と投影を別と考えます)。

んが! ゲームって主人公を自分としてプレイできる。それがリンクだろうがマリオだろうが、自分として投影できている! できてるぞ!(他にはないゲームの意義、価値)
この気づきは凄い!

大地将でマサル=クリスティンで漁ん
試合の描き方も技術が細かくなるほど大衆には解らない世界になるんですけど、押してる/押されてるに絞ってグラフで表現というのは、最初は天才かと思いましたよ。
ああこれは開発初心者でも手に負える、ボクシングの醍醐味をシンプルに表現した事で、超伝わりやすい物になったんだなって腑に落ちました

文章イベントにせよ、グラフにせよ、ボクシングの醍醐味の切り出し方が神がかっていて度肝を抜かれました。
世界戦の折り返し地点で涙が出たのは一度や二度じゃないですよ笑

自分も商業で2作、格闘技系ゲームを出しましたが、2作目の開発段階ではグラボクに影響を受けた育成モードを企画してました。

ボクシングゲーム開発者
(グラボクに影響を受けた育成モードに対して、グラボクの内部的な秘密をツイートするも、内容がネタバレすぎるので削除)

大地将でマサル=クリスティンで漁ん
えーっ!そうなんですね。ホントに魔法みたいな作品だなあ…。
もともとたくさんの物を与えてくれた作品でしたが、今日またひとつ勉強になりました!
でも自分がプレイしてるんだ、っていう感覚は大きな魅力なので、その事は外では言わない方がいいかも…
なんならこのツイートも削除した方がいいかもです!

ボクシングゲーム開発者
確かにネタバレが過ぎました、削除~!

大地将さん(この呼び方でいいのか不安)の言葉、いつも別視点からの気付きを与えてくれます。感謝です。

大地将でマサル=クリスティンで漁ん
胸にしまっておきます笑 
はい、大地 将は本名なので大地でもマサルでもいいですよー。
こちらこそ、たくさんの気づきをもらってます!
尊敬しております!

2019年11月13日水曜日

被弾モーションについて作業

ボクシングゲーム開発者
実写でボクシング、被弾時アニメ。



2コマ目と4コマ目に新しく追加してみた。

絵を増やしたんだから滑らかになるかな~と期待したが、実際に確認するとなんか躍動感なくなった気もする。
やられモーションって、雑なほうがむしろ異常事態感が出るというか…、苦労して中間絵を作った事もあり採用したいが悩むなぁ。

違和感を感じる原因は、15年も、1、3、5コマを見てきたからなのかもしれないし…。

大地将でマサル=クリスティンで漁ん
勢いのあるモーションはタメと、思い切りのいいコマ飛ばししが大事だと思います!! 
人間の眼は何かが起きた瞬間では無く見た後で脳裏に残ってる画を認識にするので、印象に残したい絵を少し長く持つというか。
なのでフォロースルーというか、モーションの後半も重視してます。

ボクシングゲーム開発者
なるほど…。
脳裏に残る絵、か。単に細かくするとむしろ止まる瞬間がないので印象に残る絵になりにくい、なのか…。
初期版を綺麗に磨こうと思ったら、むしろ改悪になってしまった、は悲劇です。
ナイスアドバイスに感謝!(ユーザーが拳闘畑ばかりでゲーム畑の専門的意見がなんと嬉しいことか)

大地将でマサル=クリスティンで漁ん
ヤラレの表示はパァァン…ではなくパ!ァァン…みたいな感じですね。画を大袈裟にしてゲーム内容が変わっては本末転倒ですが、という前置きをしつつ伝統的なヤラレモーションのイメージを言うならば、3枚目をいきなり表示して、後ずさりさせながら4、5を表示、5を長めに見せるのが、大きめのヤラレです

ちなみにコマの配分はともかく短くて地味なヤラレは「格闘技ゲーム」に関してはリアリティに繋がってると思います。「格闘ゲーム」ファンはそういう地味さを好まないですが。
実際の拳闘でも“ぶっ飛ぶ”ことはそうそう無いので時間をたっぷり使った長いヤラレはよほどのクリーンヒット限定なのかなあと。

ぼおん
中抜きして順番入れ替えただけですが右の方が殴られた感出ますよね。

(ツイッターではアニメーションGIF化して提示して頂きましたが、保存の方法わからずここに表示できず申し訳ない)
もしかしたら見れるかも…?


ボクシングゲーム開発者
こちらはアニメ畑からのアドバイス!(感謝!)
どれどれ…とずっと動画見ていたら、俺が二人おかしくなっている動画をじっと俺が見ている状態に笑ってしまいました!

左1122334455
右1234554321

仰け反りMAX時の絵を長く表示するとよくなる、という事であってますか?

ぼおん
左が12345で右が145521です。
アニメーションの道理なので『実写で』という趣旨から離れてしまうかもしれませんが・・・でも実写とはいえ本当に誰かにブン殴られてる所を撮影してる訳でも無いでしょうから(笑)動きをトレースするのも限界があると思うんですよね

ボクシングゲーム開発者
145521、マジかーーっ!
まず用意した絵を全部使うことしか考えていない自分の頭の固さ!

そうか、動き初めはふっとび、端に近いほどゆっくり、これで圧倒的に躍動感が増しますね!

実ボク15年ずっと1133553311でした。(ダメージによってMAX値決定、折り返してくるだけ)

感謝です!

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開発に行き詰ったから状況をツイートに残して、自分はサッサとリングフィットアドベンチャーでサボっている。すると、次々と専門家からアドバイスが送られてきて、次々と解決していく…。
ツイッターってすごい~! むちゃくちゃ方針が決まりました。まだまだよくなると確信できた時の喜びったら。

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被弾後、後ろにビュン、戻りもビュンにしてみた。とても見栄えが良く、躍動感が出た!

ただし、ワンツーや疲労時の仰け反り幅アップによる追撃が決まらなくなってしまった…。
これは実ボクのシステムとして失いたくない要素、本日仕事しながらじっくりと考えてみよう…。

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実ボクやられモーションA、3日間作業の進捗。


3コマを5コマ→躍動感消失→各専門家のアドバイスで解決

5コマから通常フォームに戻った際に唐突感→拳位置のズレが目立ったのが原因と考えて拳のみ別線画して飛び感を軽減→体が動かず拳のみ移動する様子が違和感ありすぎ

要所で確認のため2P対戦でテストプレイを繰り返す。
疲れから1Pを殴るはずが2Pを間違えて殴り、ふと旧モーションを見た時に(旧のほうが断然いい)とハッと気が付いてしまった。

この気づきを尊重して、3日間築き上げたソースを旧に戻す作業に入った時、なんだかほっとしたような気持ちが混じっている不思議…。

大地将でマサル=クリスティンで漁ん
さすが、素晴らしいです。そのトライ&エラーの積み重ねが今の実ボクに繋がってるんですね。
締め切りのあるビジネスでは太刀打ちできない、限界の無い情熱の強さを感じます。

ボクシングゲーム開発者
やられモーションを滑らかにしたら他の部分も滑らかにしないと全体として違和感が出てしまいました。
努力が実らなかったのは残念ですが、アドバイスも頂けてプログラミングの勉強にもなりました。

プロには納期がある、よく考えたらそのプレッシャーたるや…。
やはり好きなこととは言え、ビジネスにするのは大変そうですね!

ヒカラシ
似た話かと思って、スマブラのモーションに関する話を共有します……

https://www.famitsu.com/news/201904/22174831.html
桜井政博氏が解説する“モーション制作の極意”

ボクシングゲーム開発者
とても勉強になりました。
まさに私が直面した問題と同じことが記してありました。ありがとうございました!