その点、実写でボクシングにはチャット付きのネット対戦があるので、ユーザーから直接的に要望を得られるレアケース、恵まれていると思う。
それでも難易度を低減してほしいという要望は、長期間に渡って固持してしまった。
なんせ自分はゲームの仕組みを熟知しているのだから、簡単に感じてしまうのだ。
- ガードしないで打ち合う
- 疲れていても打ち合う
そういった愚行は、実際のボクシングにおいて殴り倒されるに値する選択なのだから、仮想体験である実ボクで手助けしちゃうのはボクシングへの裏切り、そう感じていた。
なので難易度として優しくするのではなく、攻略サイトを充実させるなど、ゲーム以外のサポートで対応してきた。
が、長年の運営を経て、考え方が変わっていく。
(それについては、「実写でボクシングの難易度」に詳しく書き残した)
そして今回、貴重な動画がアップされた。実ボクの初見プレイ動画である。
スーパープレイ的な動画のアップ、リプレイは溢れている。
しかし、人生で一度しかできない「初見プレイ」を録画した動画、これは全ての自作ゲーム開発者にとって最高の資料として活きる。
ユーザー視点としても、ベテランのduaneさんはツイッターで「緊迫した内容では我が子を見守る親のハラハラした気分でした笑」、現役バリバリのtakumiさんは「自分も最初コーナーに詰まったかも」と懐かしく語ったり…。
私もハラハラしながら応援気分で見ていたがやがて気持ちはクールダウン、開発者の視点でじっくり鑑賞する事で、初見で失敗しがちな要素をピックアップできた。
- ジャブの習得時、自分からコーナーに詰まる
- 飛び込みフック、前進アッパーの出し方にしばし悩む
- 習得条件のパンチを当てた後にも同じパンチを打ち続け疲労
- カウンターが得意、の直樹に先出し強打→ジム退会
その日から改善策の実装を開始しました。
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・ジャブの習得時、自分からコーナーに詰まる
リアルタイムで会長からのアドバイス欄に「詰まるな!ダメージが増えるぞ」と表示。
・飛び込みフック、前進アッパーの出し方にしばし悩む
下段の説明文が甘かった。飛び込みフックや前進アッパーの出し方を具体的に書き直した。
・習得条件のパンチを当てた後にも同じパンチを打ち続け疲労
スパーの序盤で会長からのアドバイス欄に一発でいい旨を表示。
「このスパーの目標はアッパーを決める事だ!」→「一発でいい、アッパーを決めるんだ!」
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更に引退が近づくにつれ蓄積ダメージに悩んでいる様子もありました。
(難所である直樹戦では戦う前からすでに傷ついていました)
ストーリーモードのサンドバック指導の際、課題となっているアクションを全て終えるとナーイスと褒められるイベントがあります。
これまで特にメリットのないイベントだったのですが、今回より誠実に全部やると蓄積ダメージを回復できる(誠実+10)としました。
ちなみに動画内でもアップ主のnokyoさんは課題を誠実にこなしています。
この誠実なる値、ストーリーの指導シーンを全て誠実にやれば70も獲得できます。
最大で70もの回復量アップ。
これは新人さんがゲームを進行させるにあたって、大きな助けとなると思います。
「誠実値を使いますか?」みたく難しい選択を迫ると混乱してしまうので、必要な時だけ誠実値を自動的に使って蓄積ダメージを回復するようにしました。(帰宅時の回復ゲームにて)
その際、「顔面20回復」の横に小さく「+10」と表示されます。
もし蓄積ダメージが全回復したら、ちゃんと残った誠実値は貯金されてセーブもされます。
この初見プレイ動画により、いい新人さん対策ができたと手応えを感じています。本当に貴重な動画だった~!(nokyo game様、感謝!)
動画を公開した nokyoさんよりコメント頂きました。
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(nokyo)
こちらこそ楽しいゲームをありがとうございます!
一発のダメージが大きく、引退ゲージが溜まっていくシステムはすごく面白いと思いました
長年に渡ってバージョンアップを続けているのも素晴らしいです
ゲームへのこだわりがヒシヒシ感じられてプレイしていて楽しかったです
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(サンドバック)
私設ジム運営の経験をゲームで伝えたい、これがスタートです。
拳の怖さ、それを超えて戦う崇高さを込めた作品です。が、長く開発する中でもっとゲームとして遊んでもらう、楽しく拳闘のケに触れてほしい…という気持ちが強くなりました。
動画から得た知見を無駄にせず、今後も改善し続けます、感謝!
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