歴戦の雄、マルケスと実際に向かい合うと
我らが西岡はどこまで主導権を握れるだろうか…?
初回、マルケスのフォームの素晴らしさに目を引かれ、
更にジャブがノーモーションからググッと伸びることに驚かされる。
(こりゃ本物だ、暴れだしたらどうなる…?)
基本性能の高さに苦戦を思い描くが、挑戦者は暴れない。
攻撃は左ジャブのみ、右拳はアゴの前で防御に専念させている。
西岡のモンスターレフト対策に比重を置いたディフェンシブな戦術だ。
出血しながらも打って出る、激戦イメージが強いマルケスだったが、
どうやら今回は微差のポイントゲットを重視しているようである。
対する西岡はポジショニングでマルケスのフォームを崩してみる。
が、それだけで壊れるような技術的欠陥はマルケスにはなかった。
ダメージングブローが互いにないままラウンドが進むが、
4Rから西岡がボディショットでマルケスのフォームを崩し始めた。
致命に至る必殺ストレートが当たる環境が整いつつあるが、
マルケスは完全にフォームを壊さず。モンスター対策を維持。
集中力の配分が防御に偏っていき、先制ジャブが減っていく。
5Rに西岡の左ストレート、6Rには大きく弧を描くフック、
どちらも左、手応えのある単発強打が決まり、王者のペース。
8R、バッティングで西岡が出血するとマルケスがここぞ!とラッシュ敢行、
ただしキッカケとして弱いため不発に終わってしまいスタミナロス。
ここからマルケスの勢いと集中力が落ちていくのだが、
もしかしたら選択した戦術も彼にとって窮屈だったかもしれない。
素晴らしいジャブに専念することで左フックは最後まで使えず、
右ガードも確かに有効だったが本来主武器となる右を激減させた。
全体を通じてボディショットが少なく単調なボックス、
打ち合いの中で自分を盛り上げていく熱血漢が
緊張感の中で萎縮、ジワジワと消耗してしまった感じだ。
終盤10、11、12Rは、西岡が先手で自在に攻撃着火していく。
マルケスは守勢に必死で攻め時すら見つけられなくなっていく。
西岡が勢いに乗った連打に混ぜて右フックを好打させると、マルケス混乱。
睨み合い距離の維持を放棄し、ノープランで戦うジリ貧状態へと陥っていく。
意地でダウンを拒否する様に修羅場慣れを感じさせたが、
すでに手札を使い切っており、王者防衛への傾きが増していく中で終了。
西岡の優勢が強く印象つけられた末、判定勝ちのコール。
西岡は毎回これが自身のベストバウトでは?と思わせてくれる。
4度の壁に一度は見切られた男が素晴らしいチャンピオンになった。
日本人ボクサーがベガス、本当の頂点で輝いている。
おめでとう以上に言いたいのは、「ありがとう」かも知れない。
さぁ~、気が早いかな、次のカードはボクシング界全体にとって、
最大の注目カードになる可能性も出てきた。
西岡物語はまだ続いていく!
2011年10月6日木曜日
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