2014年3月29日土曜日

「黄金のバンタム」を破った男 ~ファイティング原田物語~

放送からだいぶ時間が経ってしまいましたが、録画してあったファイティング原田物語を観ました。
恥ずかしいくらい泣いてしまいました。

純粋な原田少年の戦うモチベーションは、苦労続きの家族を楽にさせたい、という思いだった。

それに迷いが生じた際、笹崎会長が「金だ!」と現実路線を提示。
決してファンタジーで終わらなかったのが、このドラマの優れた点である。


主演の市原隼人は充分に役目を果たしたと思う。
あの時代だからこそ存在しえた、純粋な男の純粋な部分を、違和感なく演じられる俳優はなかなかいないかと。

母親役の伊藤蘭の演技も素晴らしく、貧乏な中でも真っ当に生きてきた女性像がしっかり伝わってきた。

ボクシング物に欠かせない存在となった鶴ちゃんも素晴らしい。純粋な若者に栄光を掴ませたい、それしか考えられないステレオタイプの古い人間の頑固さが厳しさ一辺倒、変化の乏しい表情から感じられた。

現役ボクサーも出演していました。

村田は「あの~」と会長を呼ぶも無視され、もういちど「あの~」と言う役。井上は海岸沿いの道をロードワークする役。八重樫は減量で苦しんでいる原田の横でガンガン麦茶を飲みまくる役。

役者度としては八重樫がトップ、減量で苦しむ原田の側で平気な顔で飲む演技?は満点!

なにより、舞台となった純粋な若者が純粋でいられた、ストレートな時代そのものが魅力的。
このドラマの感動を受け取れるアンテナ、ボクシングファン以外にも立っていると信じたいです。


ファイティング原田はファイトマネーの多くを母親の治療費に充てていたようだし、最近では長谷川穂積も笑顔の素敵なお母さんに対して同様だったと想像できる。

想像を絶する苦労の果てにあるボクシングでの金銭的成功。
をも超える高額な医療費。それが正しい金額であると信じたい。


ちなみに原作はもっとシンプルに原田の半生記を追った内容で平坦である。個人的にはとても楽しめたが、ボクシングファン以外の人はなかなか読むのが大変だと思う。

誰でも感動できる!という点で今回のドラマ化は大成功だったと思う。




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2014年3月1日土曜日

セルメニョの死から南米ベネズエラ、そして日本のボクサー

サンドバック

元世界王者、セルメニョがベネズエラで誘拐されて亡くなった。44歳だった。



本来ボクサー型の葛西がファイター化して悲願に迫った。が、その思いを的確なポジショニングで翻弄、手首分長いリーチでビシビシと…。そのボクシングテクニックは国内最高峰だった葛西よりも一段階上でした。


セルメニョ以外の家族は拘束先から逃げて助かったそうだ。
詳細は不明だが、一番運動能力の高いセルメニョだけが死んだ。勝手な想像となるが、誇り高い決断があったよう思えてならない。


いつまでも忘れないだろう褐色の技巧派、セルメニョの住むベネズエラとはどんな国なんだろうと思い調べてみた。



年間の殺人事件は13122件。これは日本の91倍だ。強盗事件、身代金目的の誘拐も多発、90%は銃を使用した犯行だとか。

葛西のアタックに無表情だった彼の辛い育ちを思う。我々とはまったく違う境遇だったんだろうな、と。


誘拐されて殺害されたセルメニョの母国、ベネズエラに興味が沸いたので図書館を巡って4冊のベネズエラ関連書籍を読む。

かつて貧しい国だったが、石油産出により国は急激に裕福になった。が、貧富の差が拡大し、犯罪が日常的といえるほどに増えてしまった。

とにかく殺人事件の件数が日本の91倍という数字が強烈。


taka2

セルメニョ一家、誘拐、殺害。
ベネズエラ出身といえば実際にボクシングの選手で良く聞くけれど、先ず思い浮かべるのはカーロス・リベラ(あしたのジョー)。
彼もスラム街で育ったという設定だった。

未だにそういう暮らしが続いてるんだなぁ・・・ご冥福を・・・。


しじみ

ボクシング、ベネズエラの選手がよく日本にきて試合をするが、彼らには日本はどのように見えるのだろうか。
そういえば日本で戦うホルヘ・リナレスもベネズエラだったな。


Jetthunder

ベネズエラ…おっかない国だ…(>_<)。
ボクシングの元世界王者が誘拐されて殺されるなんて初めて聞いたぜ。その記事の下に元ミスベネズエラの女優が殺されたってニュースもあり2度驚いた。

セルメニョさんのご冥福を御祈りします。


サンドバック

首都カラカスのハイウェイ路肩で死体となっていたセルメニョ。

Sバンタム級で7度、フェザー級では2度の防衛。最後の王座陥落は99年だがその後7年にも渡ってファイト継続。

まだ現役中の2003年に詐欺容疑で逮捕されており、今回はその復讐にあったのでは?と言われている。

ベネズエラは南アメリカでの殺人発生率 3位(殺人の90%は銃を使用、理由は営利目的がトップ)。
警察は腐敗している。そもそも彼らによる犯罪が多いなんて…。

ファンだったセルメニョの死をキッカケにして調べたベネズエラ。
多くのボクサーを輩出している国なのに、私はあまりに無知だった…。


ベネズエラのボクサー達。向かい合った日本人選手の姿が浮かびます。

  • エドウィン・バレロ
  • デビッド・グリマン・メンデス
  • ヘスス・ロハス
  • ランダエタ
  • レオ・ガメス
  • ヒルベルト・セラノ
  • ロレンソ・パーラ
  • エロイ・ロハス
  • ムニョス
  • アリミ・ゴイチア
  • ノエル・アランブレット


酒屋の長男

井岡弘樹さんの三階級制覇を阻止したデビッド・グリマン・メンデスやエロイ・ロハスからかな?
帝拳契約のベネズエラ選手は軒並み強いですね。

ゴイチアやロハスは生観戦したから思い入れがあります。


サンドバック

バレロ、ムニョス、ゴイチアは強打者ですが、他のベネズエラ勢は皆、長期戦をジワジワ戦うテクニシャン型だなぁとも思いました。

ベネズエラ国民による各チャンプの認知度も興味ありますね。そもそもボクシングは人気あるのかな…。


世界レベルになるにつれ飯田は判定勝ちが増え、琉球カタリューニャ戦など優勢なのか劣勢なのか微妙な試合が多かった。
私の中ではそんなに強烈な魅力を感じないボクサー、飯田。

…でしたが、ゴイチア戦での壮絶な負けっぷり。
必死で戦う姿、ダメージを負った体でボディ攻撃から盛り返そうと歯を食いしばった一瞬。

あそこから大ファンになりました。


酒屋の長男

私、地元なのでローランド・ボホール戦から飯田さんの試合はよく観に行っていましたよ。

確かにゴイチア戦いつもとは全く違う試合でした。
攻めの姿勢が前に出ていて負けはしたけど素晴らしい試合でした。

この経験がヨックタイ攻略に繋がりましたよね


サンドバック

ヨックタイ、追い上げた初戦、追い上げられた二戦目。展開が逆で面白かったですね。

飯田は一発を狙い済ますというより、マラソン選手のように有酸素呼吸、フルタイムに渡ってリズムよく繰り出すタイプ。
対してライバルの松島は、無呼吸運動で華麗なコンビやカウンターをラウンドに一回決めるタイプ。
この対照も面白かった!


酒屋の長男

懐かしいですね~♪ 松島二郎さん。
東日本の決勝が確か後に日本タイトル賭けて試合する新井選手でしたよね。


サンドバック

日本タイトル獲得した松島が勝者インタビューで「嬉しい! こんな嬉しいんなら、もっと早くチャンピオンになればよかった!」と涙。
普段クール(シャイ?)な彼の声が一段と大きかったので、本当に嬉しいんだなとしみじみ…。

飯田と松島は、最終地点や過程こそ違えど、共にボクシングにおける勝者だと感動!

新井選手といえば、ジュンタン佐藤。山中が出てくるまで、彼のストレートが最も伸びるストレートだったかと。

おっとっと、我々話題が尽きないので一旦切りましょう♪