2016年5月16日月曜日

村田諒太 vs フェリペ・サントス・ペドロソ

実力はあったのかもしれないが結果として防戦一方の相手を倒した村田。

この試合単体として見るとジャブで崩して右、その後の返しの左も機能していて、素晴らしかった。

が、放送席が注目していた防戦一方の相手と判定までいくか倒せるか、の基準は、世界タイトルマッチで勝てるか負けるか、とはあまり関係ない。

村田は世界王者レベルの実力者相手にボクシングでしっかり勝てるか?を試すべき段階にきていると思う。


村田は左ジャブの後の右ストレートをワンツーの速さで打ちつつ、右をちゃんと相手の逃げていく方向に追っかけで打てている。

ディフェンスに気を使っている相手にもしっかり当ててこれたので、右ストレートは確実に世界レベルであると言える。

ただし、相手が相打ち覚悟で打ち返してくる場合だとしてもそこまで見れるかが、無傷で勝てるか苦戦するかの分岐点となるだろう。

ジャブからの右ストレートは村田のダメージを与える攻撃の大部分を占めるパターンなので、相打ちの得意な相手(更にスタミナがあったらもっとマズい)は今後なるべく避けるべきだろう。

とは言っても、ここまで上位に来てしまえば、おのずとマッチメイクの幅は狭くなってくる。

快勝こそがそりゃ最高ですが、近く来るであろう勝負所でしぶとく2-1判定で生き残る村田も見てみたい!

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・苦手な相手を克服するために苦手なタイプと試合を組むか
・苦手な相手を避けて持ち味発揮したまま世界の頂点を目指すか

(これは意見の分かれるところでどちらにも意義がある)

全てのテクニックを一通りできる事がベストだが、私は若者にボクシングを教えていくにつれ、克服できない欠点はどうにもできないんじゃないかと考えるようになった。

アッパー打てない人は一生打てない。
無理に打てたとしても、それは長い目で見ればリスクとなるんじゃないかと。


「ガードしながらワンツー」

村田はシンプルなこのスタイルで堂々と挑むべき選手のような気がします。
(ちなみに村田はアッパー打てます!)
(器用だからある程度なんでもできちゃうんですが…)

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攻撃パターンを増やしたことが弊害となった例で思い出されるのは日本ミドル級王者だった鈴木悟選手。

ジャブやストレートを効果的に当てられる立ち位置を徹底。
常時、有酸素呼吸なので終盤になっても劣化のないボクシングだった。

が、世界を目指すにはフックやアッパーも必要だ!という教えを守った結果、リスクの瞬間が増しその呼吸も乱れた。

幅を広げた弊害が残念だったなと思うと同時に、最初のスタイルのままでも当時のミドル級の壁は高かったのだけれども…。
(陣営もどうにかしないと!と思ったんでしょうね。仕方ないのか…)

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