2016年6月7日火曜日

モハメドアリについて思い出せる事

試合前から、そして試合が終わっても吠え続けるアリの姿。

勝って喜ぶと「調子に乗るな!」と親に怒られ続けた私にとって、あのアリの姿こそが「世界」だった。
親こそが「世界」だった私の少年時代、アリがもっと広い「世界」、多様性を教えてくれた。

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12歳の誕生日に父親が勝ってくれた自転車。なんと数日で自転車泥棒にあって失ってしまう。
泣き叫ぶアリ少年に警察官はボクシングジムを紹介する。

するとアリは「泥棒をぶん殴ってやるんだ!」と初日から猛練習し、週末には地元のトーナメント大会で優勝してしまう。

今となっては自転車泥棒に感謝である。ヒーロー誕生のキッカケなんてホントわからない。

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オリンピックの金メダルを首から下げてバスに乗ろうとしたら、「このバスは白人専用だ」と言われたアリは呆然とした。
その晩、橋の上から金メダルを投げ捨ててしまう。

この話は作り話と言われているが、どっちだっていい。今、みんなバスに乗れる世の中になったんだから。
(バスではなくてレストランという説が主流だが、私の記憶ではアリ自身がバスと発言していたかと…)

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ヒーローという言葉はアリのためにある。

戦争に行けと言われ拒否、用意された謝罪会見の場。
全米中から怒りの目を向けられている中、ひとつひとつ言葉を選んでゆっくりとメッセージを伝えた。

「俺はベトコンを憎んでいない。なのになぜ殺しに行かねばならないのか。俺が間違っているのか、アメリカが間違っているのか。集まってくれた記者の皆さん、教えてくれないか?」

あの状況でこの発言ができる、本当のヒーロー。

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キンシャサ、ゴング直前の睨み合い。

アリ
「ガキの頃から俺に憧れていたんだろう? さ、先生がたっぷり教えてやるぜ!」
フォアマン
「口を使うラウンドはお前のものだ。だが、ここからが本番だ…」

このやりとりからして痺れる。礼儀正しい日本人には伝説は作れないかもしれない。

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キンシャサの奇跡の後、すこし楽をしたいアリが格下のロートルを選んだらこれがまた大善戦。
ボコボコになっても前進を止めないロートルの姿に感銘を受けた売れない俳優がいた。

彼は3日で一気に脚本を書き上げた。それが映画、ロッキーである。

凡試合でも伝説を残すアリが凄い♪

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「ボクシングのショーマンシップとしての問題点は、一流ボクサー同士の戦いになればなるほど難解で退屈になってしまう点だ。
これはジャズの問題点と同じ。一流奏者のセッションにみんな見向きもしない。」
ジョージ・フォアマン

フォアマンらしい正論だけど、アリなら別の答えを探すはずだ。

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自殺志願者がビルの上から飛び降りる寸前、たまたま通ったアリが隣のビルに駆け上がり会話。

一通り説得を拒否されたアリは「俺は有名になるのにホント苦労した。なのに君は数分でただの市民から全米一の有名人だ。」と嫉妬するようにジョーク。

このジョークで男は飛び降りることをやめた。

「有名になった君にお願いしたい。俺のファンになってくれないか? 死のうだなんて二度と思わせないぜ。」

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絶頂期のアリのスパーリングパートナーを務めていたラリーホームズ。
アリのパンチで顔面にアザを作った際、トレーナーの簡易的な治療を拒否している。

「俺はこの顔で街を歩いてみたいんだ。アリのパンチでこうなっちまったってね!」

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「父親を殴っているようで…」

年老いたアリをボコボコにしたホームズは試合の1時間後、アリのホテルに駆けつける。

暗い部屋のベットにトランクスのまま横になっていたアリは
「テクニックも教えた、食事も食わせた、なのにこんな目にあわせやがって、覚えとけ!」
と冗談を飛ばして、泣きそうな顔の大男ホームズを抱きしめた。

「お前がチャンピオンだ」

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ホームズ戦への医療検査でアリは正確な指差し動作ができなかった。
しゃべりも鈍化、なんとジョギングもできなかった。

が、戦うんだというアリの意思に加え、キングの差し金?で惨劇は行われた。
アリのダメージは甚大で後の健康に影響したといわれている。

更にファイトマネー一部未払いのまんまのキングが憎すぎる。

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アリは1990年の湾岸危機で、病をおしてフセイン大統領と直接対話。
14人ものアメリカ人人質を解放させている。

すぐに帰宅の便が用意されたにもかかわらず、人質の多くは便を遅らせてでもアリと同じ飛行機に乗って帰りたがったという。

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